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第1土曜特集 喘息の発症メカニズムと治療・管理
注目の話題
肥満と喘息重症化
Obesity and severe asthma
髙橋 浩一郎
1
,
田代 宏樹
1
Koichiro TAKAHASHI
1
,
Hiroki TASHIRO
1
1佐賀大学医学部附属病院呼吸器内科
キーワード:
重症喘息
,
肥満
,
非2型炎症
,
全身性炎症
,
腸内細菌叢
Keyword:
重症喘息
,
肥満
,
非2型炎症
,
全身性炎症
,
腸内細菌叢
pp.151-154
発行日 2022年4月2日
Published Date 2022/4/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28101151
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気管支喘息のコントロール不良因子として,喫煙,胃食道逆流症,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,好酸球性副鼻腔炎などとならび,肥満があげられる.わが国の肥満者の割合は増加傾向にあり,糖尿病,高血圧,脂質異常症を含むメタボリック症候群の増加の一因となっている.肥満では,その脂肪組織においてIL-6やIL-1βなどの炎症性サイトカインを介した慢性炎症が惹起され,全身性炎症を持続させる.肥満を合併した喘息は,成人発症,非2型炎症,ステロイド抵抗性などの特徴があり,重症喘息の割合が高く2型炎症を標的とした分子標的治療の適応となる症例が少ない.気管支熱形成術(BT)やマクロライド少量持続投与が効果的な症例もあるが,非2型炎症優位の特徴がある重症喘息への治療は,アンメットニーズ(unmet needs)と考えられる.肥満を合併した喘息の病態・分子メカニズムを理解することは,今後の治療戦略を立てるうえで重要である.
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