特集 がんにおける代謝リプログラミング:低酸素・低栄養環境で増殖するための戦略
二次胆汁酸 肥満と発がんをつなぐ脂質代謝産物
吉本 真
1
,
羅 智文
,
原 英二
1がん研究会がん研究所 がん生物部
キーワード:
Deoxycholic Acid
,
肝細胞癌
,
脂質代謝
,
胆汁酸と胆汁酸塩
,
腸
,
肥満
,
細胞老化
,
伊東細胞
,
発癌
,
腸内細菌叢
,
代謝産物
Keyword:
Gastrointestinal Microbiome
,
Bile Acids and Salts
,
Deoxycholic Acid
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Intestines
,
Obesity
,
Cellular Senescence
,
Lipid Metabolism
,
Hepatic Stellate Cells
,
Carcinogenesis
pp.151-156
発行日 2014年1月22日
Published Date 2014/1/22
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肥満に伴って様々ながんの発症率が高くなることが知られているが,その分子メカニズムの詳細についてはこれまでほとんど明らかになっていなかった.筆者らは最近マウスを用いた実験により,肥満するとコレステロール代謝産物の1つである一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換する腸内細菌が爆発的に増え,体内の二次胆汁酸量が増加することで肝がんの発症が促進されることを見いだした.同様のメカニズムがヒトの肥満に伴う肝がんの発症にも関与している可能性も示され,今後,二次胆汁酸産生菌を標的とした発がんリスク評価方法やがんの予防法の開発が期待される.
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