Japanese
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特集 熱傷治療の進歩
熱傷創治療に対する再生医療
-――細胞増殖因子・人工皮膚・幹細胞
Regenerative medicine for burn wound management
――Growth factor, artificial skin and stem cell
副島 一孝
1
Kazutaka SOEJIMA
1
1日本大学医学部形成外科学系形成外科学分野
キーワード:
bFGF製剤
,
人工真皮
,
自家培養表皮
,
脱分化脂肪細胞(DFAT)
Keyword:
bFGF製剤
,
人工真皮
,
自家培養表皮
,
脱分化脂肪細胞(DFAT)
pp.1241-1242
発行日 2022年3月19日
Published Date 2022/3/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280121241
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2009年に,わが国初の再生医療技術として広範囲熱傷治療に対する自家培養表皮移植が保険収載された.現在までに多くの重症熱傷患者に使用され,その救命に寄与しているが,健常皮膚移植と併用しなければその生着率はいまだ十分とはいえないのが現状である.細胞増殖因子としてはbFGF製剤が新鮮Ⅱ度熱傷創の治癒促進効果があり,臨床で普及している.人工真皮はⅢ度熱傷創の機能的・整容的皮膚再建に有用であるが,現状では2~3週間の待機期間を挟んで2回の手術が必要であり,その期間短縮が望まれている.また,人工真皮は自家培養表皮移植の際の移植床の真皮構築にも重要であるが,生着率に問題を残している.それらの課題を解決するために間葉系幹細胞の創傷治療への応用の試みがあり,筆者らは少量の脂肪細胞から得られ,間葉系幹細胞と同等の多分化能を有する脱分化脂肪細胞(DFAT)の有用性を検討している.
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