Japanese
English
臨床経験
全層皮膚または粘膜欠損創に対する真皮欠損用グラフトの使用経験
The Clinical Use of Artificial Dermis for the Full Thickness Skin Defects
田中 克己
1
,
藤井 徹
1
,
村上 隆一
1
Katsumi Tanaka
1
1長崎大学医学部形成外科
1Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Nagasaki University School of Medicine
キーワード:
artificial dermis
,
人工真皮
,
collagen
,
コラーゲン
,
skin defect
,
皮膚欠損
Keyword:
artificial dermis
,
人工真皮
,
collagen
,
コラーゲン
,
skin defect
,
皮膚欠損
pp.363-368
発行日 1998年3月25日
Published Date 1998/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902402
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抄録:全層皮膚または粘膜欠損創に対しては,現在までに多くの創傷被覆材が開発されているものの,ほとんどが一時的緊急創被覆を目的としたもので創傷治癒への有効性は少ない.今回われわれは,アテロコラーゲンとシリコンフィルムからなる2層性の真皮欠損用グラフトを使用する機会を得た.
真皮欠損用グラフトを創面に貼付し,母床および周辺組織から内層のコラーゲンスポンジに線維芽細胞と毛細血管が侵入し,瘢痕組織とは異なる真皮様組織が形成された後に薄目の分層植皮術を施行する.小範囲に適用した場合には,シリコンフィルム下の真皮様組織に表皮形成が進展する.腱や骨などの深部組織の露出した全層皮膚または粘膜欠損創10例に対して使用した.6例に植皮術を施行,3例は植皮なしで表皮形成が完了した.1例は感染により中止となったが,症例によっては有用な再建法の1つと考えられた.
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