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特集 褐色・ベージュ・白色脂肪細胞研究UPDATE
ヒト褐色脂肪組織の全身代謝改善作用とそのメカニズム
Brown adipose tissue as a regulator of systemic metabolism
斉藤 昌之
1
Masayuki SAITO
1
1北海道大学大学院獣医学研究院
キーワード:
褐色脂肪
,
全身代謝
,
BATkine
Keyword:
褐色脂肪
,
全身代謝
,
BATkine
pp.1134-1138
発行日 2022年3月12日
Published Date 2022/3/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280111134
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褐色脂肪組織(以下,褐色脂肪)は,非震え熱産生の特異的部位として寒冷曝露や食事摂取に伴うエネルギー消費亢進に寄与しており,その機能低下は肥満の一因になる.さらに近年,褐色脂肪が全身レベルでのインスリン感受性や糖・脂肪・アミノ酸代謝の調節・改善や,心血管疾患の発症にも関わることが明らかになりつつある.これらの全身効果は,褐色脂肪自身の代謝活性に加えて,そこで合成・分泌される液性因子(BATkine)の全身臓器に対する作用にも起因する.したがって,褐色脂肪とBATkineは肥満・メタボリックシンドロームの予防・改善のターゲットのひとつである.しかし,ヒト褐色脂肪の活性や量を規定している遺伝および環境要因については不明な点が多いのが現状である.
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