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特集 褐色・ベージュ・白色脂肪細胞研究UPDATE
褐色・ベージュ脂肪細胞の分化・発生の多様性と全身代謝
The cellular and functional complexity of brown/beige fat
安部 一太郎
1
,
梶村 真吾
1
Ichitaro ABE
1
,
Shingo KAJIMURA
1
1ハーバード大学医学部ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター
キーワード:
脂肪細胞
,
褐色脂肪
,
ベージュ脂肪
,
脂肪前駆細胞
Keyword:
脂肪細胞
,
褐色脂肪
,
ベージュ脂肪
,
脂肪前駆細胞
pp.1128-1133
発行日 2022年3月12日
Published Date 2022/3/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280111128
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褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞はミトコンドリアを豊富に含み,エネルギーを熱として消費する.これらの熱産生脂肪細胞の機能は当初,脱共役タンパク質(UCP1)を介した熱産生機構のみと考えられていた.しかし近年,熱産生脂肪細胞の発生,生理的機能についての解析と理解は飛躍的な発展を遂げており,これらの熱産生脂肪細胞のなかで,発生学的な違いや新たなサブタイプが同定されている.さらに熱産生脂肪細胞において,UCP1を介さない熱産生機構や,組織リモデリングへの関与,メタボリックシンクとしての機能などが明らかとなり,全身のエネルギー代謝における役割は一層の広がりを見せている1,2).本稿では,筆者らが取り組んできた研究成果を交えながら,褐色・ベージュ脂肪細胞について,とくに分化・発生の多様性と全身代謝の観点から概説したい.
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