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特集 グルコーストランスポーター
褐色脂肪細胞における熱産生とグルコーストランスポーター
Thermogenesis and glucose transporters in brown adipose tissue
志水 泰武
1
,
二上 英樹
2
,
斉藤 昌之
2
Yasutake Shimizu
1
,
Hideki Nikami
2
,
Masayuki Saito
2
1愛媛大学医学部医化学第一講座
2北海道大学獣医学部家畜生化学講座
pp.45-47
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900701
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グルコースの膜輸送や代謝の調節機構の研究において,脂肪細胞の果たしてきた役割の大きさは,インシュリン作用についてのブレイクスルー的知見の多くがこの細胞系から始まったことからもうかがい知ることができる。通常用いられている脂肪細胞は,腹腔内や皮下の脂肪組織をコラゲナーゼで処理してえられた遊離細胞か,3T3などの株化細胞をin vitroで分化させた細胞であるが,このような白色脂肪細胞に加えて,哺乳動物には構造も機能も異なるもう一種類の脂肪細胞,褐色脂肪細胞(brown adipocytes)が存在する。この細胞でのグルコース代謝もやはりインシュリン感受性であるが,加えて交感神経性の特異な調節を受けていることが最近明らかになってきた。本稿ではグルコーストランスポーター(GLUT)を中心に,褐色脂肪での糖代謝と熱産生機能との関わりを紹介する。
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