Japanese
English
第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中診療を取り巻く最近の話題
脳卒中遠隔医療(telestroke)システム
Telestroke system
辻野 彰
1
,
立石 洋平
1
Akira TSUJINO
1
,
Yohei TATEISHI
1
1長崎大学病院脳神経内科
キーワード:
Telestroke(脳卒中遠隔医療)
,
情報通信機器
,
ガイドライン
Keyword:
Telestroke(脳卒中遠隔医療)
,
情報通信機器
,
ガイドライン
pp.985-990
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28010985
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
近年,telestroke(脳卒中遠隔医療)は,主に組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)静注療法や血栓回収療法の適応判断に利用されているが,20年以上前からtelestrokeが行われてきた米国では,専門医のいない地域に標準的な脳卒中診療を提供する手段として,また脳卒中教育や臨床研究に有効な手段として学会や政府をあげて推進されてきた.その結果,Drip & ShipによるtPA静注療法が普及していった.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを契機に遠隔医療が拡大した今,米国では地域の医療事情に応じて,血栓回収療法を普及させるためにLVO(大血管閉塞)を病院前評価に組み込んだ脳卒中診療システム(SSOC)を構築しようとしている.国土の狭い日本であっても,医療資源の乏しい地域にあるSSOCを有効に機能させていくためには,日本脳卒中学会と行政など関連機関が一体となって,脳卒中センターとともにtelestrokeの運用を推進していくことが重要と考える.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.