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第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中治療の進歩
抗血小板療法の最新動向
Current trends of antiplatelet therapy in ischemic stroke patients
鴨川 徳彦
1
,
豊田 一則
2
Naruhiko KAMOGAWA
1
,
Kazunori TOYODA
2
1国立循環器病研究センター脳血管内科
2同副院長
キーワード:
虚血性脳卒中
,
抗血小板療法
,
CSPS.com試験
,
PRASTRO試験
Keyword:
虚血性脳卒中
,
抗血小板療法
,
CSPS.com試験
,
PRASTRO試験
pp.1070-1076
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101070
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抗血小板療法は,非心原性脳梗塞の急性期治療および慢性期二次予防に有効である.急性期脳梗塞の治療にはアスピリン,アスピリンとクロピドグレルの併用が推奨されている.抗血小板薬2剤併用は1カ月以内を目安とした亜急性期までは強く推奨されるが,病態に応じて単剤への切り替えを考慮する.慢性期非心原性脳梗塞の治療にはアスピリン,クロピドグレル,シロスタゾールが推奨されている.長期的な抗血小板薬2剤併用は出血合併症を増加させるため推奨されないが,国内多施設研究のエビデンスから,頸部・脳血管病変や血管リスクを有する患者に対するシロスタゾールを含む2剤併用は妥当である.近年の新たな知見から,脳梗塞再発リスクが高い場合に限り,プラスグレルの虚血性脳卒中後の再発抑制に対する適応が拡大された.各薬剤の特徴を理解し,虚血性イベント抑制効果と出血リスクを十分に考慮したうえで,個々の病態に応じた適切な抗血小板療法を実施することが重要である.
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