Japanese
English
第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中病態解明の進歩
脳卒中における脳腸連関
Brain-Gut Axis in stroke
山城 一雄
1
,
栗田 尚英
1
,
卜部 貴夫
1
Kazuo YAMASHIRO
1
,
Naohide KURITA
1
,
Takao URABE
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院脳神経内科
キーワード:
脳卒中
,
腸内細菌
,
脳腸連関
,
短鎖脂肪酸(SCFAs)
,
dysbiosis
Keyword:
脳卒中
,
腸内細菌
,
脳腸連関
,
短鎖脂肪酸(SCFAs)
,
dysbiosis
pp.1043-1048
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101043
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腸内細菌は短鎖脂肪酸(SCFAs)などの代謝産物によって,ヒトの健康に有益な作用を及ぼす.一方で,食事などの影響により引き起こされる腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)は,糖尿病や肥満,高血圧など脳卒中リスク因子やアテローム性動脈硬化の病態に関与する.また脳卒中急性期には,脳からのストレス反応が腸管機能障害やdysbiosisを引き起こし,腸内細菌は免疫細胞や代謝産物,細菌由来分子などを介して脳に影響を及ぼす.このような脳と腸の双方向的な作用による脳腸連関(Brain-Gut Axis)は,脳卒中急性期の病態において重要な役割を果たす.急性期虚血性脳卒中患者の腸内細菌叢解析からは,dysbiosisが病態や予後に関連することが報告されている.本稿では腸内細菌と脳卒中との関わり,さらに腸内細菌の制御による新たな脳卒中治療の可能性について,現在までの知見を述べる.
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