特集 小児消化器疾患―最近の話題
5.腸内細菌と疾患
山西 愼吾
1
1日本医科大学小児科
キーワード:
腸内細菌
,
dysbiosis
,
粘膜バリア障害
,
慢性炎症性疾患
Keyword:
腸内細菌
,
dysbiosis
,
粘膜バリア障害
,
慢性炎症性疾患
pp.141-148
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001188
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分子生物学的手法による細菌の同定,定量が可能になり,次世代シークエンサーの登場による解析時間の高速化により,宿主に共生する細菌の研究が飛躍的に発展した.そして,無菌マウスとの比較から共生細菌が宿主臓器の発達や恒常性維持に非常に重要な役割を果たしていることが明らかとなった.近年,世界的に急増し医療問題になっているアレルギー疾患,炎症性腸疾患,肥満などの慢性炎症性疾患は共生細菌叢の変化による粘膜上皮,免疫システム,神経系の機能異常が病態の背景にあることが明らかにされつつある.本稿では腸内細菌が病態に関与する疾患に関して最近の知見を紹介する.
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