Japanese
English
第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中病態解明の進歩
脳小血管病
-――その負債に予防医学的閾値はあるか?
Cerebral small vessel disease
――Is there a preventive threshold for that burden?
小野 翔平
1
,
藥師寺 祐介
1
Shohei ONO
1
,
Yusuke YAKUSHIJI
1
1関西医科大学神経内科学講座
キーワード:
脳小血管病(SVD)
,
推定血管原性ラクナ
,
脳微小出血(CMBs)
,
血管周囲腔(PVS)
,
推定血管原性白質高信号
Keyword:
脳小血管病(SVD)
,
推定血管原性ラクナ
,
脳微小出血(CMBs)
,
血管周囲腔(PVS)
,
推定血管原性白質高信号
pp.1036-1042
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101036
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日本人を含めた東アジア人種は脳出血を起こしやすい.脳出血を含めた脳小血管病(SVD)の病理は,高血圧性と脳アミロイド血管症(CAA)性に大別されるが,東アジア人の脳出血の起こりやすさは高血圧性SVDが多いことに起因するようである.その理由は食文化,遺伝的素因にあると考えられるが,いまだ不明である.SVDの負債を回避するには中年期からの生活習慣病予防が有効かもしれない.SVDの重症度を包括的に測るツールとして,MRI上の “ラクナ” や “脳微小出血(CMBs)” の有無,そして “血管周囲腔(PVS)” や “白質病変” の程度からスコア化するtotal SVD scoreが提唱されている.現在,本スコアを用いた脳卒中・循環器病や認知症発症のリスク層別化が試みられており,将来的にはそれぞれの閾値を用いた予防的介入の意義を問う臨床研究への展開が期待される.
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