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連載 臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学・第16回
腸内細菌叢とマルチオミクス解析
Gut microbiome and multi-omics analysis
加藤 完
1
Tamotsu KATO
1
1理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チーム
キーワード:
腸内細菌
,
マルチオミクス解析
,
dysbiosis
Keyword:
腸内細菌
,
マルチオミクス解析
,
dysbiosis
pp.163-168
発行日 2021年1月9日
Published Date 2021/1/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27602163
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SUMMARY
ヒトの細胞数を超える約40兆個,数百種類にも及ぶ腸内細菌は,複雑な複合微生物系を構築するとともに腸内で宿主であるヒトとの共生関係を築いている.生後,環境中や食事などから徐々に複雑な生態系を形成するとともに腸管内の免疫システムの構築および誘導に関わっている.これら腸内細菌はヒトの消化酵素では分解できない難消化性成分の利用によって短鎖脂肪酸を合成し,腸管内での感染防御や腸管免疫の制御を行う.近年の次世代シーケンサーの発達によりメタゲノム解析を含めた細菌叢解析は容易になっており,大規模解析により腸内細菌叢バランスの変動と病態との関連が示されている.一方,宿主微生物間の相互作用は複雑であり,各網羅的解析を組み合わせたマルチオミクス解析手法が腸内細菌叢解析に用いられている.本稿では,腸内細菌叢の基礎知識に加え複雑な解析手法について紹介する.
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