Japanese
English
特集 ウイルスを創る,ウイルスを視る
麻疹ウイルスを創る
Engineering the measles virus
田原 舞乃
1
,
竹田 誠
1
Maino TAHARA
1
,
Makoto TAKEDA
1
1国立感染症研究所ウイルス第三部
キーワード:
麻疹ウイルス(MeV)
,
ベクター
,
iPS細胞
,
腫瘍溶解
,
がん治療
Keyword:
麻疹ウイルス(MeV)
,
ベクター
,
iPS細胞
,
腫瘍溶解
,
がん治療
pp.905-910
発行日 2022年2月26日
Published Date 2022/2/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28009905
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麻疹ウイルス(MeV)はリバースジェネティクスとよばれる技術によって人工的に作製することができる.この技術により,任意の変異導入が可能となり,ウイルスの生物学的な性質について多くの重要な知見を得ることができた.さらに外来遺伝子を挿入することで,①レポーター遺伝子の発現により生体内でのウイルス複製の可視化を可能にする,②麻疹と他の病原体に対する多価ワクチンの候補を開発する,③がん治療用MeVを作製する,などの目的も達成された.最近ではiPS細胞作製MeVベクターや,光によって増殖を制御できるMeVも開発された.MeVのベクターとしての有用性は,遺伝的安定性と6kbを超える外来遺伝子が挿入可能であることよって実現されている.
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