Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
B.感染症
麻疹
Measles
關 文緒
1
,
竹田 誠
2
Fumio Seki
1
,
Makoto Takeda
2
1国立感染症研究所ウイルス第三部
2東京大学大学院医学系研究科微生物学教室
キーワード:
麻疹ウイルス
,
発熱
,
発疹
,
MRワクチン
Keyword:
麻疹ウイルス
,
発熱
,
発疹
,
MRワクチン
pp.280-283
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001229
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1 疾患概念(疫学・有病率・罹患率)
麻疹は,パラミクソウイルス科モルビリウイルス属の麻疹ウイルス(measles morbillivirus)の感染により生じる感染症である。麻疹ウイルスの伝染力は非常に強く,麻疹患者の咳・くしゃみなどで発生する飛沫(飛沫感染)や空気中を漂うウイルス(空気感染)を介した経気道的感染,また手などを介して自身の目や気道粘膜に麻疹患者の気道分泌物を付着させること(接触感染)により感染する。感染した場合,免疫のない者は,ほぼ全員が発症すると考えられている。現在(2023年1月)日本では,国内で継続的に伝播している流行株はなく,世界保健機関(WHO)の基準における麻疹排除状態にある。すなわち,日本における麻疹感染は,海外で感染した人や,それらの麻疹患者からの伝播症例と考えられている。
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