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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
基礎医学の視点から
ヒト病原性ウイルス研究から考える次のパンデミックへの対策
Countermeasures for the next pandemic based on studies of human pathogenic viruses
木村 香菜子
1
,
鑓水 修欄
1
,
橋口 隆生
1
Kanako KIMURA
1
,
Syura YARIMIZU
1
,
Takao HASHIGUCHI
1
1京都大学医生物学研究所ウイルス制御分野
キーワード:
構造ウイルス学
,
ウイルス糖タンパク質
,
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
麻疹ウイルス(MeV)
,
ムンプスウイルス(MuV)
Keyword:
構造ウイルス学
,
ウイルス糖タンパク質
,
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
麻疹ウイルス(MeV)
,
ムンプスウイルス(MuV)
pp.30-34
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010030
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エンベロープウイルスは,粒子表面に受容体結合能と膜融合能を担うウイルス糖タンパク質を保持している.このウイルス糖タンパク質は,ウイルスの病原性発現の必須因子であると同時に,われわれヒトの免疫系からみると,中和抗体や細胞性免疫応答の主要な標的でもある.したがって,ウイルス糖タンパク質の “構造” や “性質” を理解することで,病原性と免疫原性を可視化して理解することができる.本稿では,構造ウイルス学を通してみえてきた呼吸器感染症ウイルスの細胞侵入機構,中和抗体との相互作用や逃避について議論した.次のパンデミックに備えるには,平時からのさまざまなウイルス研究を推進していくことが求められる.

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