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特集 ウイルスを創る,ウイルスを視る
レオウイルスを創る
-――リバースジェネティクス系によるレオウイルス科の研究
Reverse genetics approaches for the molecular studies of the family Reoviridae
金井 祐太
1
,
納田 遼太郎
1
,
小林 剛
1
Yuta KANAI
1
,
Ryotaro NOUDA
1
,
Takeshi KOBAYASHI
1
1大阪大学微生物病研究所ウイルス免疫分野
キーワード:
レオウイルス科
,
分節型二本鎖RNAウイルス
,
リバースジェネティクス系
,
がん治療
,
ワクチン
Keyword:
レオウイルス科
,
分節型二本鎖RNAウイルス
,
リバースジェネティクス系
,
がん治療
,
ワクチン
pp.911-915
発行日 2022年2月26日
Published Date 2022/2/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28009911
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ウイルスの人工合成技術(リバースジェネティクス系)は,合成したウイルスのゲノムDNAあるいはRNAを細胞内に導入することで感染性ウイルスを人工合成する技術である.任意の変異をもつ遺伝子組換えウイルスを作製し,増殖性や病原性を調べることで,ウイルスゲノムの機能解析が可能となることからウイルス学研究において必須の技術である.レオウイルス科は9~12分節に分かれた二本鎖RNA(dsRNA)をゲノムとして有しており,乳幼児の下痢症ウイルスとして重要なロタウイルスに加え,哺乳類,鳥類,両生類,魚類,爬虫類,昆虫,植物,菌類など,広範な宿主に感染する多様なウイルス種が含まれる.レオウイルス科のウイルスはゲノム構造の複雑性からリバースジェネティクス系の確立が困難であったが,近年,哺乳類レオウイルス,ロタウイルスなどの人工合成技術が開発され,遺伝子組換えウイルスを用いた病原性解析やウイルスベクター,ワクチン開発研究が行われている.本稿では,レオウイルス科の人工合成技術の原理と遺伝子組換えウイルスを用いた応用研究について紹介する.
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