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第1土曜特集 結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断,治療,感染対策,発病予防
結核
結核の疫学と対策
Epidemiology and control of tuberculosis
加藤 誠也
1
Seiya KATO
1
1公益財団法人結核予防会結核研究所
キーワード:
結核
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
低蔓延
,
高齢者
,
外国出生者
Keyword:
結核
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
低蔓延
,
高齢者
,
外国出生者
pp.604-610
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006604
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世界の結核患者数はWHOの推計で2020年に990万人,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)合併や多剤耐性結核(MDR TB)が大きな課題であり,2014年に策定されたEnd TB Strategy(結核終息戦略)には野心的な目標が設定されている.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより患者発見・治療に影響を受けており,2020年の死亡者は10万人増加し,150万人になった.日本の結核罹患率は2020年に人口10万対10.1となったが,前年比12%低下と過去10年間に比べてきわめて大幅であり,COVID-19によって患者発見の停滞による影響が考えられた.近年は80歳以上の高齢者,外国出生者がリスクグループとなっている.高齢者にはスクリーニングを含めた早期発見,医療機関における積極的な菌検査,また外国出生者には言語障壁への対応,早期発見のための入国前・後のスクリーニング,健康教育,また治療継続のために文化や習慣の違いや個々の患者の状況に配慮した支援が必要である.
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