肺結核の画像診断

Diagnostic imaging of pulmonary tuberculosis

　肺結核の画像は患者の免疫状態によって大きく異なってくる．70歳以上の高齢者で強い免疫低下があれば肺結核画像の特徴である類上皮細胞肉芽腫の形成が悪く被包化されないため，誤嚥性肺炎と変わらない下肺野の浸潤陰影などを呈する．高齢者の肺炎像を見たときには常に肺結核を考慮する必要がある．また，わが国では20歳代の結核患者の70％以上が外国出生者でBCG未接種者が含まれる．このため外国出生者は初感染発病時に，日本人ではまれな一次結核症を呈することがある．肺結核の誤診を防ぐためにも，患者の年齢・国籍などによって画像所見が大きく異なることを理解して胸部CTを読影する必要がある．