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第1土曜特集 膠原病のすべて
膠原病の病態解明
免疫代謝研究の最前線
Frontiers of study in immunometabolism
河野 通仁
1
Michihito KONO
1
1北海道大学病院リウマチ・腎臓内科
キーワード:
細胞内代謝
,
T細胞分化
,
解糖系
,
グルタミン代謝
,
イタコン酸(ITA)
Keyword:
細胞内代謝
,
T細胞分化
,
解糖系
,
グルタミン代謝
,
イタコン酸(ITA)
pp.372-378
発行日 2024年2月3日
Published Date 2024/2/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28805372
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“免疫” とは細菌,ウイルス,腫瘍などの自己と異なる異物(非自己)を排除するための機能である.“自己免疫疾患” とは,この免疫が自分自身の細胞や組織(自己)に対し,過剰に反応することで異常をきたす疾患群である.全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病を含む自己免疫疾患では難治性の病態が多く残されているが,その病態の一部に細胞内代謝が関わっていることが明らかとなってきた.細胞内代謝には主に解糖系,グルタミンなどのアミノ酸代謝,脂肪酸代謝などがあり,これらの阻害により細胞の生存,増殖,分化,機能が変化することが報告された.さらにT細胞,B細胞,樹状細胞など,さまざまな免疫細胞の代謝(免疫代謝)を制御することで,SLEなどの自己免疫疾患モデルの病勢を抑えられることが報告され,新規治療標的として注目されている.本稿ではSLEなどの自己免疫疾患における細胞内代謝の役割について,主にT細胞に注目して概説する.
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