Japanese
English
特集 敗血症診療を知る――J-SSCG2020のポイント
敗血症におけるDIC診断と治療
Diagnosis and treatment of disseminated intravascular coagulation in patients with sepsis
和田 剛志
1
,
射場 敏明
2
Takeshi WADA
1
,
Toshiaki IBA
2
1北海道大学大学院医学研究院侵襲制御医学講座救急医学教室
2順天堂大学救急・災害医学
キーワード:
播種性血管内凝固症候群(DIC)診断基準
,
血栓性微小血管症(TMA)
,
アンチトロンビン
,
リコンビナント・トロンボモデュリン
Keyword:
播種性血管内凝固症候群(DIC)診断基準
,
血栓性微小血管症(TMA)
,
アンチトロンビン
,
リコンビナント・トロンボモデュリン
pp.1175-1179
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279121175
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「日本版敗血症診療ガイドライン2020(J-SSCG2020)」での播種性血管内凝固症候群(DIC)診療に関するクリニカルクエスチョン(CQ)においては,前版J-SSCG2016での診断および治療に加え,近年関心が高まっているDICの鑑別について言及した.①診断:診断基準は複数存在するが,それぞれの基準が作成された目的や求められる役割の相違などを理解し,診断基準間の優劣を判断することなく目的に応じて使い分ける必要がある.②鑑別:血栓性微小血管症(TMA)などDICに類似した血液検査異常をきたす疾患では特異的な治療アルゴリズムが必要な病態が存在し,これらはDICと並存しうるため「敗血症性DICの診療では常にDIC類似疾患の鑑別/並存を念頭に入れる」という心構えが必要である.③治療:近年の研究結果から検討対象患者を “敗血症性DIC” に限定し評価した結果,2つの薬剤に関して使用が弱く推奨され,2つの薬剤に関して標準治療として使用しないことが弱く推奨された.この “弱い推奨” の意味を正しく理解したうえでの抗凝固療法の適応検討や治療薬選択が望まれる.
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