Japanese
English
特集 妊娠高血圧症候群(HDP)の予防・治療・管理
新しいエビデンスに基づいたHDPの診断
New diagnostic criteria for hypertensive disorders of pregnancy on the basis of emerging pathophysiology
山口 宗影
1
,
近藤 英治
1
Munekage YAMAGUCHI
1
,
Eiji KONDOH
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学
キーワード:
妊娠高血圧腎症(PE)
,
sFlt-1/PlGF比
,
加重型妊娠高血圧腎症(SPE)
,
血栓性微小血管症(TMA)
,
子癇
Keyword:
妊娠高血圧腎症(PE)
,
sFlt-1/PlGF比
,
加重型妊娠高血圧腎症(SPE)
,
血栓性微小血管症(TMA)
,
子癇
pp.429-434
発行日 2023年11月11日
Published Date 2023/11/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28706429
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妊娠高血圧症候群(HDP)は,現在も変わらず母児の予後に直結する重要な疾患である.近年の基礎ならびに臨床研究により,HDPの病態はさらに明らかとなってきた.それに伴いHDPの診断基準は改定され,病態に応じたHDPの管理が可能となってきた.妊娠高血圧腎症(PE)は,蛋白尿に加えて胎盤を含めた臓器障害を伴うと定義され,血液検査によりその発症を予測することが可能となった.加重型妊娠高血圧腎症(SPE)は,妊娠早期から厳格な血圧管理を行うと,その発症が低下することが明らかとなり,妊娠初期の高血圧合併妊娠(CH)の診断や血圧の評価は非常に重要となった.HELLP症候群をはじめとした妊娠関連血栓性微小血管症(TMA)は死に至ることもあり,速やかに鑑別する必要がある.病態に応じた新しいHDPの診断に基づいて母児の管理を行うことで,さらなる予後の改善が今後期待される.
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