連載 COVID-19診療の最前線から――現場の医師による報告・Vol.4
血栓症と炎症:多臓器不全・多様な症状への進行機序
射場 敏明
1
Toshiaki IBA
1
1順天堂大学医学部救急・災害医学
pp.1115-1119
発行日 2021年12月11日
Published Date 2021/12/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279111115
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
POINT
⃝COVID-19では深部静脈血栓や血栓塞栓症の原因となる大血栓と微小血管内に生じる微小血栓のいずれもが生じうるが,多臓器不全の原因として重要なのは後者である.
⃝微小血栓形成の原因として重要なのは “炎症と凝固の活性化” であり,その背景には白血球,血小板,血管内皮の機能変化,および自然・獲得免疫の攪乱が存在している.
⃝抗凝固療法は主に大血栓の予防を目的として実施されているが,生命予後により深く関わってくるのは微小血栓の抑制である.しかし後者に対する効果は明らかにされていない.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.