Japanese
English
特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線
Ⅰ.病態—最近の知見
3.多臓器不全の発生機序
Mechanisms producing the multiple organ dysfunction syndrome
篠澤 洋太郎
1
,
藤島 清太郎
1
,
山崎 元靖
1
,
関根 和彦
1
,
三村 琢也
1
,
相川 直樹
1
Yotaro SHINOZAWA
1
1慶應義塾大学医学部救急部
キーワード:
急性腹膜炎
,
多臓器不全
,
サイトカイン
Keyword:
急性腹膜炎
,
多臓器不全
,
サイトカイン
pp.1111-1117
発行日 1998年9月20日
Published Date 1998/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903270
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重症腹膜炎患者では炎症性サイトカインであるTNFα,IL-1βの産生,血中への遊離が増大しSIRSを呈するが,サイトカイン自体には組織傷害性はなく,IL-8により活性化される好中球より遊離される活性酸素,エラスターゼなどが組織傷害に関係する.炎症性サイトカインや活性化好中球は,凝固線溶系,補体系の活性化,DIC,微小循環障害,虚血再灌流,アポトーシス,傷害臓器のremodelingなどにも関係し,臓器障害(MODS)を惹起する.また,免疫系の障害はCARSを誘導し,腹膜炎の増悪,他部位感染症の併発,BTなどによりMODSの増悪に関係すると考えられる.好中球の存在部位(腹膜,肺)による動態の相違についての検討も進められている.
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