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特集 多臓器不全—患者管理の実際
多臓器不全患者の病態生理
New concept and pathogenesis of multiple organ failure
中村 紀夫
1
Norio NAKAMURA
1
1東京慈恵会医科大学柏病院救急診療部
キーワード:
多臓器不全
,
エンドトキシン
,
サイトカイン
,
活性酸素
,
エラスターゼ
Keyword:
多臓器不全
,
エンドトキシン
,
サイトカイン
,
活性酸素
,
エラスターゼ
pp.1259-1263
発行日 1995年10月20日
Published Date 1995/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901985
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多臓器不全に対する新しい概念が示され,病態生理に関する進歩と相俟って集中治療の対象として考えられるようになってきた.新しい概念としてのSIRS/MODSは重症感染症や外傷などの侵襲に対する全身性の反応であり,血中のサイトカインのレベルが過剰に上昇することにより引き起こされる.この状態が持続することにより臓器障害としてのMODSへ至り,重篤な不可逆的障害をもたらすことになる.この過程でのエンドトキシンをはじめとするケミカルメディエーターの役割が明らかになり,好中球の活性化により遊離する活性酸素やエラスターゼが直接的に主要臓器の細胞障害をもたらすとされる.しかし,生体内に存在する様々なメディエーターのコントロールについては,治療面を含めて今後検討すべき問題も多い.
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