Japanese
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特集 基礎と臨床の両面から挑む血栓止血学
脳血管疾患発症制御における抗血栓療法
Prevention of cerebrovascular diseases by antithrombotic therapy
山崎 昌子
1
Masako YAMAZAKI
1
1千葉大学大学院医学研究院人工知能(AI)医学
キーワード:
抗血小板療法
,
抗凝固療法
,
再灌流療法
,
経静脈的線溶療法
Keyword:
抗血小板療法
,
抗凝固療法
,
再灌流療法
,
経静脈的線溶療法
pp.1073-1078
発行日 2021年12月11日
Published Date 2021/12/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279111073
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脳梗塞の大多数は,動脈硬化を基盤に血栓が脳動脈を閉塞することにより発症するため,治療の基本は抗血栓療法と動脈硬化危険因子の管理である.抗血栓療法のなかで,急性期の再灌流療法は閉塞血管を再開通させる治療だが,抗凝固療法や抗血小板療法は血栓塞栓症の再発を予防する治療である.抗血栓療法の有効性および重大な副作用である頭蓋内出血の危険性は,脳梗塞の病型,病期や重症度などにより異なる.抗血栓療法を開始する際には,個別の患者の発症機序,血栓塞栓症再発リスクと出血リスクから適応や薬剤を判断する.心原性脳塞栓症の発症および再発予防には抗凝固療法が,非心原性脳梗塞の再発予防には抗血小板療法が行われる.原因不明または特定が困難な脳梗塞の第一選択も抗血小板療法であるが,このなかには抗凝固療法の有効性が期待できる病態も含まれている.長時間心電モニターなどで潜在性心房細動が発見された場合,抗凝固療法を行うことは妥当と考えられている.
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