Japanese
English
特集 基礎と臨床の両面から挑む血栓止血学
血栓止血におけるプロコアグラント血小板の役割
Role of procoagulant platelet in thrombosis and hemostasis
野村 昌作
1
Shosaku NOMURA
1
1関西医科大学内科学第一講座
キーワード:
血小板プロコアグラント活性
,
血小板第Ⅲ因子
,
血小板
,
マイクロパーティクル
,
リン脂質
,
非活性化GPⅡb/Ⅲa
Keyword:
血小板プロコアグラント活性
,
血小板第Ⅲ因子
,
血小板
,
マイクロパーティクル
,
リン脂質
,
非活性化GPⅡb/Ⅲa
pp.1068-1072
発行日 2021年12月11日
Published Date 2021/12/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279111068
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血小板と凝固因子の反応は,常に連続した関連性をもっており,血小板に関連した凝固活性のことを,以前は血小板第Ⅲ因子とよんでいた.その特徴は第Ⅹ因子の活性化と,プロトロンビンのトロンビンへの変換であり,現在はこの能力を血小板プロコアグラント活性とよんでいる.また,この活性の中心となっているのがプロコアグラント血小板であり,リン脂質の血小板表面への発現やプロコアグラント関連タンパクの発現増加など,いくつかの特徴を備えている.プロコアグラント血小板の発現頻度が低値であれば出血傾向に,逆に高値であれば血栓傾向につながる可能性がある.すなわち,プロコアグラント血小板の状態をうまくコントロールしないと,臨床上さまざまな問題が生じ,多くの臨床病態の予後にも大きく影響する可能性が高い.血小板プロコアグラント活性をコントロールすることは,血栓止血領域における重要疾患の制圧につながる可能性を秘めている.
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