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特集 基礎と臨床の両面から挑む血栓止血学
血小板と血栓形成
-――機序と臨床的意義
Platelet and thrombus formation
――Mechanisms and clinical significance
横山 健次
1
Kenji YOKOYAMA
1
1東海大学医学部付属八王子病院血液腫瘍内科
キーワード:
血小板
,
止血
,
動脈血栓
,
静脈血栓
Keyword:
血小板
,
止血
,
動脈血栓
,
静脈血栓
pp.1058-1061
発行日 2021年12月11日
Published Date 2021/12/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279111058
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血管が破綻した部位ではコラーゲンなどの血管内皮下組織が露出する.血小板はフォン・ヴィレブランド因子(VWF)を介して,あるいは直接コラーゲンに粘着する.その後,血小板粘着部位に他の血小板が誘導,活性化されて血小板凝集塊が形成される.さらに凝固系が活性化されて形成されたフィブリンが血小板凝集塊を補強して強固な血栓を形成して止血が完成する.動脈血栓では粥状プラークが破裂部位への血小板粘着から血栓形成がはじまる.静脈血栓形成には単球,好中球など免疫系の細胞とともに血小板も関与しており,immunothrombosisとよばれる.血小板が1~2万未満に低下すると重篤な出血をきたすことがあること,がん患者,本態性血小板血症(ET)患者では血小板数高値が血栓症発症のリスク因子であること,先天性血小板機能異常症の患者では出血傾向を呈すること,血小板機能が亢進している患者では血栓症発症率が高いことなど,血小板が血栓形成に重要なことは臨床的にも明らかである.
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