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特集 再生医療最前線—リハビリテーション医療への応用—
8 心不全に対する再生医療の現状と心臓リハビリテーションへの期待
Current Status of Regenerative Medicine for Heart Failure and Expectations for Cardiac Rehabilitation
宮川 繁
1
Shigeru Miyagawa
1
1大阪大学大学院医学系研究科最先端再生医療学共同研究講座
キーワード:
心不全
,
再生医療
,
細胞シート
,
筋芽細胞
,
iPS細胞
,
心臓リハビリテーション
Keyword:
心不全
,
再生医療
,
細胞シート
,
筋芽細胞
,
iPS細胞
,
心臓リハビリテーション
pp.711-716
発行日 2019年9月18日
Published Date 2019/9/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨 自己筋芽細胞シートは,数多くの非臨床研究を行い,テルモ社の企業治験にて虚血性心筋症に対する自己筋芽細胞シート“ハートシート”が承認され,現在,コントロール群を比較対象においた有効性の検証が行われている.
近年,筋芽細胞のもつサイトカイン治療から心筋細胞補充療法への転換をめざして,iPS細胞から分化誘導した心筋細胞を用いたシートを作成し,さらに臨床応用をめざして,同組織の安全性,有効性の検証を行った.特に,移植したiPS細胞由来心筋細胞のレシピエント心筋との同期的挙動,および筋芽細胞シートと比較した優位性を検証するとともに,心筋細胞の大量培養法や安全性の検証システムを構築した.本年度,虚血性心筋症に対するiPS細胞由来心筋細胞シート治療は,厚生科学審議会再生医療等評価部会にて,綿密な議論の末承認され,first in human試験が行われる予定である.
心不全において,さまざまな細胞を用いた新しい治療法が開発されており,新規治療法の導入により,既存の治療抵抗性の難病を克服する可能性を有しているものと思われる.また,心不全患者の運動耐糖能を改善する心臓リハビリテーションと再生医療とのコンビネーション治療は,心不全治療における新しいコンセプトをもった治療として期待できるものと思われる.
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