Japanese
English
特集 心臓の発生・再生・創生
Ⅳ.心臓の再生
心筋シートによる心臓組織再生技術の現状
Current status about regenerative therapy by cardiac cell sheet
阪本 覚
1,2
,
清水 達也
1
Sakamoto Satoru
1,2
,
Shimizu Tatsuya
1
1東京女子医科大学先端生命医科学研究所
2東京女子医科大学循環器内科
キーワード:
再生医療
,
組織工学
,
細胞シート
,
iPS由来心筋
Keyword:
再生医療
,
組織工学
,
細胞シート
,
iPS由来心筋
pp.579-582
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200735
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1990年代前半にVacantiとLangerらが生体分解性高分子化合物に軟骨の細胞を播種し,ヌードマウスの背中に移植する手法を報告1)して以来,scaffold(足場)に細胞を播種・培養して目的とする臓器の形状を作製しようとする組織工学が広く世界中で研究されてきたことは周知のとおりである。一方,1982年のES細胞の発見から約25年後の2006年,遺伝子工学分野の発展を背景にヒト多能性幹細胞(ヒトiPS細胞)の樹立が報告され,各種の細胞への分化誘導技術が開発されつつある現在,再生医療は現実的に実用化可能な,近未来の医療であると認識されつつある。
本稿では,前述したscaffoldを用いる古典的な組織工学に続き,組織工学分野に大きな技術革新をもたらした温度応答性培養皿を用いた,細胞シート作製技術と単層心筋シートの開発,更に段階的積層化による多層心筋シート作製について解説し,その後,現在の技術的な課題とそれへの取り組みについて解説する。
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