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第1土曜特集 宇宙生命科学の進歩と医学応用への展望
宇宙環境に関連した各研究対象と最新の知見
宇宙居住環境における環境微生物
Environmental microbiome in manned space habitats
一條 知昭
1
Tomoaki ICHIJO
1
1大阪樟蔭女子大学健康栄養学部健康栄養学科食品衛生学研究室
キーワード:
宇宙居住環境
,
環境微生物
,
微生物モニタリング
,
ハイスループットシーケンス
Keyword:
宇宙居住環境
,
環境微生物
,
微生物モニタリング
,
ハイスループットシーケンス
pp.597-601
発行日 2021年11月6日
Published Date 2021/11/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27906597
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宇宙居住環境は微小重力下かつ宇宙線に曝露される閉鎖環境であり,生態系は主にヒトと微生物から構成される.宇宙居住環境では,細菌の病原性や宇宙飛行士の免疫が変化することなどが先行研究より示唆されており,ヒトと微生物の関係が地上と比べて大きく変化すると考えられる.長期宇宙滞在におけるクルーやシステムの安全・安心を保証するためには,宇宙居住空間におけるヒトと微生物の関係を理解し,共生するための基盤的な知見を集積する必要がある.宇宙居住環境では,環境中の微生物の全体像を理解するための研究活動が各国宇宙機関により進められている.基本的に,国際宇宙ステーション(ISS)内で採取した環境試料を地上に持ち帰り分析を進めている.2010年以降は培養に依存しない遺伝子を標的とした解析法が用いられ,宇宙居住環境の微生物ワールドが明らかとなってきている.本稿では,これまでの宇宙居住環境での環境微生物の解明に向けた現状を紹介するとともに,将来展望についても考えたい.
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