連載 医療者からみた高齢者の「こころとからだ」・1【新連載】
老健居住者の生活環境の満足感とは
高齢者の生活環境と「こころとからだ」を考える会
pp.573
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102823
- 有料閲覧
- 文献概要
急速な少子高齢化を背景に,国は介護保険法を制定・改正して介護老人保健施設(老健)を全国的に展開させている.
そこでは入所者だけではなく,世話をする職員にも様々な戸惑いが生じている.食事一つを例にとっても,本来楽しいはずの食事の場のあちこちで奇声が聞こえたり,排泄の臭いが漂ってきたりする.ケアをする職員は,入所者が車椅子から転落しないよう見守らなければならないし,食事介助で飲み込みの悪い人が誤嚥性肺炎にならないよう配慮しなければならない.さらに,歩行移動に障害の少ない入所者は徘徊したり断りなく脱出(離設)したりする.これを防止する一方で,離設への「思い」は何なのか.ケアする側には入所者の「からだ」だけではなく,「こころ」に対する深い配慮が求められる.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.