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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
高齢者疾患の包括的管理
高齢者の外科手術
Surgical treatment for the elderly
山本 和義
1
,
黒川 幸典
1
,
土岐 祐一郎
1
Kazuyoshi YAMAMOTO
1
,
Yukinori KUROKAWA
1
,
Yuichiro DOKI
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学
キーワード:
高齢者
,
周術期管理
,
身体的フレイル
,
精神心理的フレイル
Keyword:
高齢者
,
周術期管理
,
身体的フレイル
,
精神心理的フレイル
pp.496-501
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905496
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社会の高齢化,周術期管理の向上に伴い,消化器癌手術を受ける患者の高齢化も進んでいる.高齢であることは手術のリスク,予後不良因子として抽出されるが,その本態は身体的フレイル,精神心理的フレイルである.加齢に伴う筋肉量・筋力の低下であるサルコペニアは身体的フレイルのひとつの尺度であり,65歳以上の高齢胃癌患者において,術前摂取カロリー,タンパク質量が少なく,術後重篤な合併症および不良な予後の独立したリスク因子である.認知機能を評価するMMSE,高齢者の抑うつ症状を評価するGDS15は75歳以上の高齢食道癌患者において,術後せん妄発症の独立したリスク因子であった.身体的フレイル,精神心理的フレイルを術前に評価することで,正確なリスクの把握,最適な治療戦略の選択,介入すべき対象の絞り込みが行える.介入については標準的な方法は確立しておらず,原疾患の治療成績を向上させるのに有効な介入法については,今後の挑戦的な課題である.
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