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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
フレイル・サルコペニア
社会的側面からみたフレイル
Social aspects of frailty
藤原 佳典
1
Yoshinori FUJIWARA
1
1東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
キーワード:
フレイル
,
社会的側面
,
地域支援事業
,
一般介護予防事業
,
生活機能
Keyword:
フレイル
,
社会的側面
,
地域支援事業
,
一般介護予防事業
,
生活機能
pp.436-441
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905436
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2014年の介護保険法改正により,“通いの場” などの社会参加を介した介護予防・フレイル予防事業が推進されている.同事業におけるフレイルの捉え方については,2つの視点がある.第1は,フレイルをADL障害発生のリスクのひとつと捉える医学モデルの視点である.第2は,フレイルをADLの前障害状態(pre-disability state)と捉える生活機能モデルの視点である.一方,学術領域においては,“フレイルの社会的側面” を便宜的に “社会的フレイル” と称する場合が散見される.その代表的な要素に社会的活動,社会的サポート,社会的ネットワーク,孤独感,社会的孤立があるが,社会学分野では既知の健康のリスク要因として知られる.これら既知の要因に対して,新たな用語の登用には慎重になるべきであるが,あえて “社会的フレイル” の語を用いるとすれば,①用いることの意義を明らかにし,②フレイルの概念の包括性を踏まえて,③社会活動,社会関係,社会環境などの社会的諸側面の相互連関を視野に入れ,④対象の価値観や選好,ライフ・コース,社会規範・制度・政策などの環境条件に鑑みつつ表記することが望まれる.
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