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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
フレイル・サルコペニア
超高齢者社会の口の機能を支える視点
-――オーラルフレイル
Perspectives on supporting the oral functions of the elderly in a hyper-aged society
――Oral frailty
平野 浩彦
1
Hirohiko HIRANO
1
1東京都健康長寿医療センター病院歯科口腔外科,同研究所自立促進と精神保健研究チーム研究部長
キーワード:
オーラルフレイル
,
健康寿命
,
口腔機能低下症
Keyword:
オーラルフレイル
,
健康寿命
,
口腔機能低下症
pp.442-447
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905442
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8020運動は高齢期の歯科口腔保健活動として広く国民にも浸透し,その目標は歯数維持が主眼とされ,その達成率は5割を超えた(2016年).歯数維持に加え,高齢期の口腔機能の維持・管理の方策を検討するうえで,口腔機能低下に関する概念考案の必要性から,オーラルフレイルの概念が日本で考案された.高齢期,とくに後期高齢者は,負のライフイベントなどにより生活環境などの変化が生じ口腔保健への意識が低下し,次に日常生活における口のささいなトラブルが生じ,一連の状況を放置してしまうことにより,食欲低下や食品多様性の低下,さらに口腔機能低下が生じ,低栄養,サルコペニアのリスクが高まり,最終的に食べる機能の障害を引き起こすことになる.この一連の現象および過程を可視化したモデルとしたのがオーラルフレイルの概念である.オーラルフレイルは考案されて日が浅い概念であるが,栄養,さらには健康寿命延伸に関連した知見も蓄積されつつあり,本稿では最近の知見も含め概説した.
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