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特集 性同一性障害(GID)
総合病院における性同一性障害医療のセンター化の取り組み
Effort to Establish the Medical Center for GID in a General Hospital: Problems of sex reassignment surgery in foreign countries
難波 祐三郎
1
Yuzaburo NAMBA
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科形成再建外科
1Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama, Japan
キーワード:
Comprehensive treatment
,
Sex reassignment Surgery
,
Intersex
Keyword:
Comprehensive treatment
,
Sex reassignment Surgery
,
Intersex
pp.789-794
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101948
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はじめに
我々は2001年1月より性同一性障害(GID)に対する性別適合手術(SRS)を行ってきた。岡山大学精神科を受診してGIDの確定診断を受けた患者も1,180名を超え2,12),これまで我々が行った乳房切除術を含むSRSも,延べ340例を超えた3,6~11,14,15,17,18)。この間に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(特例法)が2003年に制定され,2006年には「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第3版)」が出され,GIDをめぐる医療環境も大きく変化してきた。また,GIDに関する情報がテレビやインターネットなどマスメディアを通じて入手しやすくなったため,自分がGIDではないかと自己判断して比較的早期に精神科を受診する患者が多くなった。
また我々は,GIDに対するSRSの手術手技を応用して副腎性器症候群やアンドロゲン不応症などの性分化異常,矮小陰茎などの先天性性器異常,炎症後外陰部変形などに対する手術治療を行ってきた4,5,13,16)。そして,これらGID以外の疾患においても手術治療のみならず,メンタルケアやホルモン補充療法など診療科連携による治療の必要性を痛感していた。そこで2010年9月,岡山大学病院にジェンダー関連疾患を包括的に治療する部門としてジェンダーセンターを設立した。
ここでは岡山大学病院にジェンダーセンターを設立した趣旨から実際の活動について報告し,海外における性別適合手術の問題について述べる。
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