連載 ユニークな実験動物を用いた医学研究・Vol.5
実験動物としてのブタの “おいしさ”
-――ゲノム編集技術と遺伝子改変ブタ
谷原 史倫
1
Fuminori TANIHARA
1
1自治医科大学医学部先端医療技術開発センター動物資源ラボラトリー
キーワード:
ZFN
,
TALEN
,
CRISPR/Cas9
,
ゲノム編集
,
遺伝子改変ブタ
Keyword:
ZFN
,
TALEN
,
CRISPR/Cas9
,
ゲノム編集
,
遺伝子改変ブタ
pp.241-246
発行日 2021年10月16日
Published Date 2021/10/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27903241
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Summary
マウスやラットといった小型齧歯類は実験動物として広く用いられている.しかし,マウスを用いて得られた実験結果はかならずしもそのままヒトに外挿できるわけではなく,先端的な医療技術のトランスレーショナルリサーチや前臨床研究を推し進めるためには,齧歯類以外のモデル動物も必要とされている.近年,ヒトとマウスの間を橋渡しする実験動物としてブタが注目されており,マウスやラットと同様に遺伝子改変技術を駆使することで医学研究への多大な貢献が期待される.近年,CRISPR/Cas9システムをはじめとするゲノム編集技術が開発され,ブタを含む遺伝子改変動物の作出が劇的に発展した.ゲノム編集技術により細胞や胚への遺伝子改変が格段に容易となり,ノックアウト・ノックインブタの作出に必要な労力と時間を大幅に削減することが可能となった.本稿では,とくにゲノム編集技術を用いた遺伝子改変ブタの作出を中心に,実験動物としてのブタの魅力を概説する.
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