Japanese
English
特集 異種移植の現状と展望
異種移植臓器ドナーとしての遺伝子改変ブタの開発
Development of genetically engineered pigs as organ donors for xenotransplantation
渡邊 將人
1
,
梅山 一大
1
,
長嶋 比呂志
1
Masahito WATANABE
1
,
Kazuhiro UMEYAMA
1
,
Hiroshi NAGASHIMA
1
1明治大学バイオリソース研究国際インスティテュート,株式会社ポル・メド・テック
キーワード:
異種移植
,
遺伝子改変ブタ
,
多重遺伝子改変ブタ
,
クローンブタ
,
異種拒絶反応
Keyword:
異種移植
,
遺伝子改変ブタ
,
多重遺伝子改変ブタ
,
クローンブタ
,
異種拒絶反応
pp.266-271
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28304266
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1990年代以後の異種移植研究の活発化は,ブタの遺伝子改変技術の発展と不可分である.さまざまな遺伝子改変ブタ開発の約30年の歴史を経て,2022年1月に10種の遺伝子が改変されたブタの心臓が,はじめてヒトに移植された.移植後2カ月で患者は死亡したものの,異種移植に伴う典型的な拒絶反応はみられなかった.この歴史的成果によって,異種移植は臓器移植医療における臓器不足解消のための現実的な選択肢であると再認知された.本稿では,異種移植臓器ドナーとしての遺伝子改変ブタ開発の背景と技術内容について概説する.これまでの研究の歴史をたどるのではなく,ヒトへの異種移植の実現を新時代の幕開けと捉え,現在および将来の遺伝子改変ブタの開発に焦点を当てる.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.