Japanese
English
TOPICS 産科学・婦人科学
出生前検査:進歩と課題
Prenatal diagnosis:recent progress and challenges
関沢 明彦
1
Akihiko SEKIZAWA
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座
pp.223-224
発行日 2021年10月16日
Published Date 2021/10/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27903223
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出生前検査の現状
昨今の遺伝学的検査技術の進歩は急速であり,出生前遺伝学的検査を取り巻く環境は大きく変化してきている.羊水検査で採取した胎児細胞に対して行う確定的遺伝学的検査も従来の染色体G分染法のみではなく,染色体マイクロアレイ検査や次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析法が選択されることが増えてきており,網羅的遺伝子解析法の結果と児のphenotypeや出生後の発育予後についての知見も蓄積されてきている.一方,周産期における超音波診断の精度も,超音波検査機器の性能の向上に伴って大幅に向上し,疾患の検出率や診断精度が上昇するのみではなく,その診断時期も早期化している.そのことで形態異常から遺伝学的検査が検討され,形態学的所見と遺伝学的所見を統合的に理解することも可能になってきている.このような症例の積み重ねと,その情報の集積によって児の病態の理解が進み,治療の最適化が可能になって予後の改善につながる半面,診断時期が早期化することで妊婦が妊娠継続について悩むことも多くなっている.
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