連載 産科臨床検査の実際・最終回
出生前の検査法
石井 明治
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科
pp.1043-1046
発行日 1986年12月25日
Published Date 1986/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207015
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羊水は,子宮・母体血・胎盤とともに胎児をとりまく1つの環境を構成しているので,羊水を検査することにより,多数の胎児情報を得ることができる.たとえば,羊水中の染色体を分析することにより胎児の染色体異常の有無を判定したり,羊水中にふくまれる酵素の検査,羊水の生化学的検査により胎児の先天異常を診断したり,ビリルビン様物質の測定により母児間血液型不適合妊娠を判定したりすることが可能で,羊水検査による診断意義はきわめて大きなものがある.
最終回の今月は,近年,各施設で行なわれるようになった,羊水を中心とした出生前診断について検討してみることにする.
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