Japanese
English
特集 今,数理が面白い――医学・生物学への応用
数理データサイエンスの拡がりと応用
-――生命基礎科学から診断支援まで
Expansion of mathematics and data science
――from basic life sciences to diagnosis support systems
中村 和幸
1
Kazuyuki NAKAMURA
1
1明治大学総合数理学部
キーワード:
数理モデル
,
データ同化
,
遺伝子ネットワーク
,
深層学習
,
画像診断支援
Keyword:
数理モデル
,
データ同化
,
遺伝子ネットワーク
,
深層学習
,
画像診断支援
pp.188-193
発行日 2021年10月16日
Published Date 2021/10/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27903188
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
昨今注目を集めているデータサイエンスや人工知能(AI)は,さまざまなデータからの識別などが可能になる手法であり,その有用性から生命科学・医学分野を含む諸分野において応用が急拡大している.データサイエンス手法は帰納的推論を主としているため,演繹的推論が強い領域,たとえば時間発展をする現象の理解などにおいて困難を伴う場合がある.このような場合に,数理モデルや数理的定式化といった演繹的手法を持ち込み,融合することで,現象理解や予測の有効性をさらに高めることができる.本稿では,このような数理的枠組みを持ち込むことの有効性について説明する.まずデータサイエンス,機械学習・AI,数理モデルの生命科学・医学分野における位置づけと特質について議論する.次いで,これらの融合について数値シミュレーションと観測データを統合するデータ同化の生命科学における研究や,深層学習による画像診断可視化に関する研究について説明し,その有効性について議論する.最後に,今後のデータサイエンスと数理の融合の方向性についてまとめる.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.