コーヒーブレイク
けんさ―その拡がり
屋形 稔
1
1東新潟病院
pp.810
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902035
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1月末東京にしては珍しい大雪に見舞われた日,羽田から南端宮崎まで空路を翔んだ.隣の鹿児島行きが欠航したのに,宮崎では南国の陽に映えるフェニックスの並木に迎えられた.宮崎の技師会の方々の前で,現在の医療と臨床検査について1時間ほど話させてもらった.最近の国内外の医療の変革に臨床検査はどう対応してゆくか,検査技師は狭い視野でなく広く医療全体から臨床医学の中核としての検査の本質を見つめ,多様な道を設定してゆくべきというのがその論旨である.終わって十分にそれを取り入れた近代的な県立宮崎病院を見学,技師長で県技師会長のK氏,熊本県技師会長U氏らと懇談したが,九州人らしい剛毅にして純粋な検査技師論に接し足を伸ばした甲斐があった.
帰路東京で平成5年度の公益信託臨床病理学研究振興基金の奨励金授与式があった.この選考会は昨年8月に行われたが,これも東京には珍しく台風の直撃を受けた日で,ノッポビルKホテルは会議の最中大揺れであった.終わって東京駅へ戻る地下鉄では,浸水のため車中に数時間閉じ込められ生きた気もしなかったのを思い出した.12人の受賞者はそんなことはつゆ知らず,研究費の使い方を楽しんでいるようであった.
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