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第1土曜特集 自殺の予防と危機・救急対応――新たな局面を迎えた日本の自殺対策にどう対応するか
危機・救急対応の現状
精神科リエゾン医の立場から
As a physician with a specialty in psychiatric liaison
日野 耕介
1
Kousuke HINO
1
1沼津中央病院
キーワード:
精神科リエゾンチーム
,
自殺企図者対応
,
精神腫瘍学
,
院内自殺対策
Keyword:
精神科リエゾンチーム
,
自殺企図者対応
,
精神腫瘍学
,
院内自殺対策
pp.57-62
発行日 2021年10月2日
Published Date 2021/10/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2790157
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身体疾患への罹患は,自殺の危険因子のひとつとされている.また,身体疾患を背景に自殺の危険性が高まった患者は,深刻な精神症状も伴うことが一般的である.よって,身体疾患を有する患者の自殺予防は,身体疾患の治療を担当するスタッフと精神科リエゾンスタッフが協力・連携しながら行っていく必要がある.外来診療や入院中の患者において,自殺念慮の存在が明らかになった(あるいは疑われる)場合は,その切迫性を評価したうえで,精神科への紹介を検討する.自殺企図者への対応についても,診療科間の連携が重要であるが,院内の精神科医療体制が限られている場合は,近隣の精神科医療機関と連携し,地域内でのリエゾン体制を確立するよう努める.自殺が起こってしまった場合は,患者に関わった者のケアも重要となるため,この点についても病院内で適切な連携体制を構築したうえで対応することが求められる.
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