Japanese
English
TOPICS 癌・腫瘍学
慢性炎症によるエピゲノム異常とがん
-――その分子メカニズム
Epigenomic alterations by chronic inflammation and cancer
――its molecular mechanism
竹島 秀幸
1
,
牛島 俊和
1
Hideyuki TAKESHIMA
1
,
Toshikazu USHIJIMA
1
1国立がん研究センター研究所エピゲノム解析分野
pp.1053-1054
発行日 2021年9月18日
Published Date 2021/9/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278121053
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慢性炎症は,がん,メタボリックシンドローム,神経炎症,関節リウマチなどさまざまな疾患の発生に関与する1).そのメカニズムとしては,NF-κBシグナル経路・STATシグナル経路の活性化(がん)やアディポサイトカイン産生調節機構の破綻(メタボリックシンドローム)などが重要であるとされている.同時に,慢性炎症によりエピゲノム異常が誘発されることもわかってきた.エピゲノム異常(DNAメチル化異常)は,遺伝子の永続的な不活化(サイレンシング)を引き起こすことで疾患発生の原因となり得る2).最近の研究から,メチル化異常を誘発する “悪い炎症” があること,異常誘発の詳細な分子メカニズムが明らかになってきた.
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