Japanese
English
特集 ビッグデータ時代のゲノム医学
Ⅰ.ゲノム医学の進歩
エピゲノム解析
Epigenome sequencing
鈴木 絢子
1
,
鹿島 幸恵
1
,
関 真秀
1
,
鈴木 穣
1
Suzuki Ayako
1
,
Kashima Yukie
1
,
Seki Masahide
1
,
Suzuki Yutaka
1
1東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻
キーワード:
エピゲノム
,
バイサルファイトシークエンス
,
ChIP-seq
,
ATAC-seq
,
シングルセル解析
Keyword:
エピゲノム
,
バイサルファイトシークエンス
,
ChIP-seq
,
ATAC-seq
,
シングルセル解析
pp.102-107
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201134
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ビッグデータ時代の到来には,大規模シークエンス解析技術の急速な発展が一つの大きな要因となっている。ゲノム配列をはじめとした網羅的なオミクスデータを安価かつ簡便に取得可能となり,細胞のありとあらゆる分子情報はシークエンス技術を駆使して計測され,そのデータは大量に蓄積されつつある。
塩基配列によらずにクロマチン状態を規定する情報はエピゲノムと呼ばれ,遺伝子発現のコントロールに重要である。エピゲノム状態の違いによって,同じゲノム配列を有するにもかかわらず様々な種類の細胞が作り出されることとなる。ゲノム変異と同様にエピゲノムの異常も疾患の原因となり得る。正常および疾患組織のエピゲノム状態を網羅的に解析することによって,これまでゲノム配列の変化だけでは説明がつかなかった疾患に対して,その発症メカニズムの解明および治療標的の同定につながる可能性が示唆されている。本稿では,主にヒト細胞のエピゲノムに着目し,主なシークエンス解析技術,疾患とのかかわり,新規解析手法を概説する。
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