Japanese
English
特集 腸内細菌と免疫
腸内微生物と腸管免疫細胞の相互関係
Interaction between gut microbiota and immune cells
奥村 龍
1
,
竹田 潔
1
Ryu OKUMURA
1
,
Kiyoshi TAKEDA
1
1大阪大学大学院医学系研究科免疫制御学
キーワード:
腸内微生物叢
,
短鎖脂肪酸
,
インターロイキン(IL)-10
,
制御性T細胞(Treg)
,
マクロファージ
,
自然リンパ球
Keyword:
腸内微生物叢
,
短鎖脂肪酸
,
インターロイキン(IL)-10
,
制御性T細胞(Treg)
,
マクロファージ
,
自然リンパ球
pp.750-755
発行日 2021年8月28日
Published Date 2021/8/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27809750
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近年,特定の細菌を無菌マウスに定着させたノトバイオートマウスの解析により,特定の細菌やその代謝物が宿主の腸管免疫系にどのような影響を及ぼすかが明らかになってきている.たとえば腸内細菌代謝物については,食物繊維の分解で産生される酪酸を中心とした短鎖脂肪酸が,制御性T細胞(Treg)への分化を促進させ,またマクロファージに作用し抗炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-10の産生を促進させることで,常在菌に対する宿主の過剰な免疫応答を制御していることが近年明らかになった.一方で,腸管免疫細胞もまたサイトカイン産生や抗菌分子の産生によって,腸内微生物を制御していることが明らかとなっている.今後は,メタゲノム解析などによる腸内微生物叢の機能的解析と腸管免疫細胞のシングルセルRNAシークエンシングなどによる網羅的解析により,さらに両者の相互関係の理解が進むことが期待される.
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