Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 295, Issue 9 （November 2025）

医学のあゆみ 295巻9号（2025年11月発行）

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第5土曜特集心不全診療の未来戦略――ゲノム，AI，多臓器連関が拓く新時代

急速に進歩し続けるゲノム・オミクス研究のcutting edge

循環器研究を変えるプラットフォーム戦略 -――日本循環器研究コンソーシアムの挑戦 Platform strategy to transform cardiovascular research 野村征太郎 ¹ Seitaro NOMURA ¹ ¹東京大学医学部附属病院循環器内科先端循環器医科学講座キーワード：精密医療 , ゲノム・オミクス解析 , 日本循環器研究コンソーシアム , 肥大型心筋症（HCM） , 拡張型心筋症（DCM） , 倫理的・法的・社会的課題（ELSI） Keyword: 精密医療 , ゲノム・オミクス解析 , 日本循環器研究コンソーシアム , 肥大型心筋症（HCM） , 拡張型心筋症（DCM） , 倫理的・法的・社会的課題（ELSI） pp.724-728

発行日 2025年11月29日 Published Date 2025/11/29

DOI https://doi.org/10.32118/ayu295090724

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参考文献 Reference

　循環器疾患は遺伝要因と環境要因の相互作用で発症する．ゲノム解析やオミクス解析によって個々の病態を理解することで，循環器疾患における精密医療の実現が期待される．日本循環器研究コンソーシアムは “日本全国を1つの研究室に” を理念に，多施設共同でゲノム・オミクス・AI解析を統合し，疾患層別化と治療法開発を進めている．特にGENESIS-J-DCM研究では，TTNやLMNAなどの遺伝子変異に基づく治療反応や予後の違いを明らかにし，創薬やゲノム編集治療の可能性を示した．今後は倫理的・法的・社会的課題（ELSI）に配慮した倫理的医療実装や，AI・データベースを活用した臨床還元，国際連携を通じて世界に通用する精密循環器医療を構築することが目指されている．