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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
トピックス
生活習慣病とIoT
IoT-based approach for the management of lifestyle diseases
坊内 良太郎
1
Ryotaro BOUCHI
1
1国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター
キーワード:
生活習慣病
,
IoT
,
行動変容
Keyword:
生活習慣病
,
IoT
,
行動変容
pp.514-520
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805514
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生活習慣病は心血管疾患や慢性腎臓病などの発症につながるため,生活習慣の改善を目的とした早期からの介入が重要である.生活習慣病のうち,糖尿病,肥満症,高血圧症に対するInternet of Things(IoT)の活用,とくにモバイルアプリケーション(以下,アプリ)の有効性について報告が多くみられる.わが国からもPRISM-J,SLIM-TARGET研究,HERB-DH1 trialなどの介入研究が実施され,結果が待たれている.患者自身の体重や血圧などのセルフモニタリングに加え,得られた情報に応じてアプリからフィードバックがかかること,適切な治療強化につながるような仕組み(生活習慣の改善に加え,受診勧奨や薬剤による治療強化)を組み入れること,さらには医療者からのフィードバックがかかることが,アプリの生活習慣病に対する介入効果を高めることが明らかになってきた.一方で,データセキュリティの問題,医療情報と健康関連情報(PHR)の統合の問題,さらには保険診療にこれらのデジタル技術を組み込むとして,いかにその有用性を評価するかなど解決すべき課題も多く,問題解決に向けた制度作りが進み,IoTの活用がますます発展することが期待される.
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