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カテコールアミン(ドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリン)を神経伝達に利用する一群のニューロンは,哺乳動物の脳神経系において特徴的なネットワークを形成し,広範かっ重要な生理作用を媒介する。カテコールアミンによるシグナル伝達は,生体内において特異的な分布を示すドーパミンおよびアドレナリン受容体の種々のサブタイプを介して行われる。本ニューロンによる生理機能の制御機構の解明は,脳機能の素過程および種々の神経疾患発症の機序を理解するための重要な課題である。最近の遺伝子ターゲティングによるアプローチは,カテコールアミン代謝および神経伝達のステップを遮断することにより,この神経系による運動,情動,記憶・学習などの脳機能および自律神経機能の制御のメカニズムを明らかにしつつある。本総説では,カテコールアミン代謝に関与する酵素と輸送体およびドーパミンとアドレナリン受容体遺伝子のノックアウトマウス表現型の解析より得られた知見について解説し,遺伝子ターゲティングを利用したカテコールアミン神経系の機能研究の展望について考察する。
Catecholamine neurotransmitters (dopamine, noradrenaline, and adrenaline) have important roles on a wide range of brain and autonomic functions in the mammalian nervous system. These functions are mediated by diverse subtypes of dopaminergic and adrenergic receptors. Each subtype shows unique expression pattern in the nervous system and mediates different physiological functions. Recent advances in gene knockout technique have provided an approach to investigate behavioral and physiological roles mediated by catecholamine signaling.
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