Japanese
English
特集 口腔と全身疾患研究の最前線
口腔と脳機能・認知症との関連性
The relationship between oral cavity and brain function and dementia
松下 健二
1
Kenji MATSUSHITA
1
1国立長寿医療研究センター口腔疾患研究部
キーワード:
Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)
,
菌血症
,
アミロイドβ
,
脳炎症
Keyword:
Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)
,
菌血症
,
アミロイドβ
,
脳炎症
pp.1017-1022
発行日 2021年6月19日
Published Date 2021/6/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu277121017
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アルツハイマー病(AD)をはじめとする認知症の病因はいまだに不明な部分が多く,その発症や進行を制御できる方法は確立されていない.口腔と脳機能や認知症との関連についてこれまで多くの研究がなされており,自分の歯を残し口腔機能を維持することが,認知機能をはじめとする脳機能を維持するうえで重要であることが示唆されている.近年,歯周病と認知機能や認知症との関連性が示され,とくに歯周病菌の一種であるPorphyromonas gingivalis(P. gingivalis)がADの病態形成に関わることが示されつつある.歯周組織の炎症が脳組織に波及することや,P. gingivalisが脳内にアミロイドβの蓄積や脳炎症を惹起することが示唆されている.今後,P. gingivalisの感染をコントロールすることで,ADの発症や進行を制御できるかもしれない.
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